まんどリウムです!
GEXアクアレイアウトコンテスト(GALC)2024の結果が発表されました!
GEXレイアウトコンテストとは
ペットメーカーの大手、GEX社が2022年から開催しているアクアリウム国内コンテストです。これまで国内のメーカーが主体となって行われるコンテストはADAの世界水草レイアウトコンテスト(IAPLC)だけでしたが、それとは趣向の違った新しいコンテストとなっています!
7位&特別賞入賞!!
3回目の挑戦となる今年は、ありがたいことに7位入賞と特別賞(アーティスティック賞)を受賞することが出来ました!!その作品がこちらになります!

タイトル:「深緑をのぞくとき深緑もまたこちらをのぞいているのだ」
水槽サイズ:60×30×36(㎝)(ADA キューブガーデン)
Co2:1秒1滴
照明:ChirosVividⅡ 8時間/日
濾過:EHEIM 2213
生体:グリーンネオンテトラ、ヤマトヌマエビ、オトシンクルス
タイトルにもこだわってかなり自信作だっただけに、入賞という結果に結びつけることが出来て本当にうれしいです!!
ポイントは中央の「目」です。IAPLCではこうした造形は自然にはないので「自然観」という観点から減点されてしまいますが、GALCはアイデア重視で比較的何をやってもいいので、印象的な造形を求めた結果こうなりました。
入賞するために狙ったポイント
この水槽のコンセプトは、主に3つあります。
①あくまでも水草をメインとしたレイアウトであること。
②一般投票の得票率を上げるため、小さい画像でも目に留まるようなインパクトを残すこと。
③見た人の記憶に残るメッセージ性を持たせること。
これらをずっと意識しながら作成していきました。
嬉しいことに、SNSなどでも好反応をいただくことが出来、自分でも手ごたえのある作品となりました。
では、この水槽のメイキングをご紹介します。
この水槽が出来るまで
もともとこの水槽はIAPLCを目指して作成していたものでした。

遠近感や影を多く作ることを意識して作成していきます。
この時期、トールマンでかっこいい一本ものの流木を手に入れていたので、何とか使いたくてアーチにすることに。すると目のような構図が見えてきたので、このまま目を意識して作ろうと思ったのでした。(私は最初から構図を決めて作るよりも、素材を組みながらフィーリングで構図を決めていくことが多いです)

さらにブランチウッドを追加して、右から左への水流の流れと、目の造形を際立たせていきます。土台に見えている石は黄虎石。カミハタのレイアウトセットで箱買いしたものです。
それぞれの流木はカミハタの液状接着剤で接着しています。
目の瞳を構成する枝流木は、アーチ流木に接着しています。瞳の周りの流木は水槽後方まで続いているのですが、写真にすると前後関係が消えるので、これで奥行きのない水槽でもたくさんのレイヤーを重ねることが出来るのです。
立ち上げたはいいものの・・・
そこから植栽したものがこちらです。

ニューラージがいい感じに枝垂れ、ピナティフィダの赤もアクセントになっていい感じなのですが。。。
写真でもわかるくらい大量の髭コケに襲われました。。。。
立ち上げて水草のスイッチが入ったくらいでいつも髭コケに襲われるのですが、何が原因なのか・・・大阪の水道水の質? レイコンは繊細に構図を組んでいるので、サイアミーズは暴れそうで入れるのをいつもためらうんですよね。
木酢液を塗ってヤマトに食べてもらおうとしましたが、あまり変化はなく・・・それどころか木酢液の影響で前景に敷き詰めたニューラージパールグラスが溶け始める始末・・・心が折れ、リセットをすることに。
リセットするなら

で、毎日少しずつ解体していたのですが、この状態を見たときに後景の有茎草が結構状態よく育っていることに気付きました。
いろんな植物が混植されていて、自然っぽいしきれい・・・
せっかく状態がいいから何かに残したい、と思ってこの水槽をGALC用にリメイクすることにしました。
目の構図、リベンジ

前景は溶けた草を吸い出し、砂利を敷くことで対処。
中央の谷を活かして、当初よりも小さめの目の構図を作るべく、流木等を組んでいきます。瞳は細いツタをぐるぐる巻き、結束バンドで固定したものを石に接着して沈めました。

目の上半分に使う流木が決まったら、さらに一工夫。
目らしさをゴリゴリに強調するため、フレイムモスをまつ毛のように接着剤で張っていきました。接着面が見えないように裏側に。
均一に貼るのが結構難しかったです笑
瞳も何かで塗りつぶす必要があったので、ぐるぐる巻きのツタに、南米モスを貼り付けることで解決しました。

こうして、問題だらけだったIAPLC水槽は、なんとかごまかしてGALC用にリメイクすることが出来たのでした。
幸いにも有茎草の状態はずっと良く、さらにヘアーグラスも成長したことで水中の自然観を保ちつつ、奇抜な目のレイアウトが出来ました。いつの間にかあんなに勢力を増していた髭コケもおおかた消えていました。
生体はグリーンネオンテトラ。さわやかさと、目に浮かぶ涙をイメージして泳がせました。水景としても青い姿がマッチしました。
反省点はもちろんあります。
・低床が厚すぎる
・波紋が弱い(もっと強い風を当てないと波の印象がしない)
・前景の植栽の計画が不十分
といったところでしょうか。
GALCで評価される鍵とは
こんな紆余曲折のあった作品でしたが、なんと総合7位、アーティスティック賞もいただくことが出来ました。
GALCは最初から特別賞の数が決まっているわけではなさそうなので、尖った作品にはそれにふさわしい賞が設置される様子でした!
このことからGEXアクアレイアウトコンテストで評価いただける鍵がわかった気がします。
・テーマが明確
・水草や生体の美しさが伝わること
・ストーリーがあること
このような要素が込められた作品が一般投票の中でも目立ち、多様なジャンルの審査員からも注目を集めるのではないでしょうか。
道具や技術よりも、アイデアや熱意の方が評価につながるのでぜひ次回から皆さんも参加してみてはいかがでしょうか!
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